どうなる!?ブックオフ2018後編 ひとつのブックオフ構想
【前編のおさらい】
→ 本業はともかく関連事業の大失敗で3期連続赤字でピンチ!
ここではブックオフ2018年3月期決算発表の経営方針について解説します。
【経営方針① 個店を磨く】
業績を回復させるには最も大事な事業の根幹となる部分だが、パッとした具体策に乏しいので割愛。ざっくり「リニューアルで取扱商品とか見直すよ」ぐらいの認識でよい。
【経営方針② 総力戦で取り組む ひとつのブックオフ構想】
今回の決算の目玉。「グループ会員IDさせることで全国の実店舗・ネットを連携させる」という政策。具体的な構想は以下の通り。
買取 電子買取、アイテム拡充、買取価格の検索
販売 情報オープン化、店舗・ネット併売拡大、ECアイテム拡充、他店・ECの在庫検索および取り寄せ、入荷お知らせ
・どの店でも何でも売れるようになる?
現在は原則、その店の取扱商品しか買い取ってもらえない。何でも買い取ってもらえるようになれば便利なるのは確か。
・ ブックオフオンラインが服や家電やらも売り出す?
いまさら感がすごいので無視。
・ 全国のブックオフやネットの在庫を検索・取り寄せが可能に?
アマゾンの書籍の売上は新刊込みで1200億円ほどと言われる。「次世代覇者はどっちだ!?ブックオフVSメルカリ」で見たように、メルカリはメディア系(本・CD・ゲーム・DVDなど)で約300億円。ただし、どちらも中小・個人の寄せ集めにすぎず、実現すれば中古メディア系500億円規模を一手に扱う業態は唯一無二の存在になれる。
まさに一発逆転。夢の構想だが本当に可能だろうか?
【ひとつのブックオフ構想 課題】
① インフラ
店同士の在庫をリアルタイムでつなぐ情報システムや物流など膨大なインフラ投資が必要になる。
② 人材育成
拡大する商品や新たなシステムを使いこなす人材を育てる必要があるが、ここを疎かにしてしまうと「テキトー査定で安く買い叩く悪しきブックオフ」のイメージを悪化させることになる。
③ フランチャイズ
ブックオフ店舗の過半数はフランチャイズ。あくまで別会社であるフランチャイズオーナーに自分たちで売れない商品を買い取らせたり、自分の店の在庫をよその店に出荷させることが可能だろうか。
結論:実現すればすごいが、現実味は薄い。
まとめ
現状:そこそこ持ち直してきたブックオフ本体だが、不振の関連事業や小型店舗が足を引っ張ってピンチ
理想:グループの力を結集して反撃・・・と行きたいが、本当にできるのか?