どうなる!?ブックオフ2018前編 業績分析

ここではブックオフ2018年3月期決算の業績結果を解説します。

1.連結業績数値

 

  2016年 2017年 2018年
売上高 765 813 800
営業利益 -5.3 1.1 6.1
当期純利益 -5.2 ー11.6 -8.9

連結 単位:億円

 売上こそ落ちるものの、収益性は少し回復。しかし、依然として赤字・危険域の低収益であることは変わりない。既存店売上前期比も96.5%と低迷しており、先行きは危うく、自己資本比率はほぼ横ばいの27.5%と、さほど余裕も無い。
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2.主な事業別の状況

 

・ リユース店

 要するにいつもの「ブックオフ」のこと。売上705億・営業利益34億円と大型店が好調らしく、これだけ見ると悪くない結果。だが、減損と閉店損失が40億円以上あり、結局赤字。不採算の小型店などの整理を終えたのなら、来期以降は復調が期待できる。

・ ブックオフオンライン

 同名のネット書店。売上61億・営業利益2億円と規模・収益性ともにパッとしない。

・ ハグオール

 聞きなれないが、これは富裕層をターゲットにした百貨店買取窓口。売上高20億・営業利益マイナス8.9億減損4.6億円という今期とんでもない赤字を叩き出した問題の事業。要するに今期の赤字の原因は大半がコイツ。規模は小さいのに損失はデカいまさにガン細胞。

 

業績まとめ 本業もギリギリだが、ハグオールの大失敗でピンチ!

 

3.今後の方針

 

・ リユース店

 単独店(普通のブックオフ)は「地域にあった商材を広げる」複合店(ブックオフプラス・スーパーバザー)は「ハイブランド・高単価にシフトする」ぐらいの方針で、昨年の家電買取参入のような真新しい一手に欠ける。

 それも単独店の家電買取は一部撤退している店もあるし、複合店のハイブランドはハグオールが大失敗中のところ。

 

 前期・今期も大幅な赤字を出したハグオールだが、決算書には「撤退」の文字は見当たらず、早期収益化を目指すとのこと。「新興勢力の勢いを考えると高級路線を捨てられない」ということだろうが、本当に大丈夫だろうか?

 

【現状まとめ】

メルカリを筆頭とする新興勢力にやられて本業が縮小

→ 新興勢力が苦手な高級品で勝負!

→ 大失敗!!

高級路線を続けるにせよ、本業を立て直さなければいよいよ体力が持たない・・・追い詰められたブックオフが放つ挽回の一手とは?

次回「どうなるブックオフ2018!?後編 『ひとつのBook off構想』」

2018年06月26日