「おいしさを決定づける、たったひとつのルールがあった。」 カレーの教科書

カレーの教科書 水野仁輔 NHK出版【2013】

【概要】
 水野仁輔氏は出張料理ユニット「東京カリー番長」の調理主任を務めるカレー研究家。

 本書では「秘伝」や曖昧さに紛れて不透明になってしまっているカレーのテクニックをルール化し、イメージどおりのカレーを自在に作れるように説明した、文字通りの「教科書」。

 カレーの作り方の基本となる「ゴールデンルール」を中心に、スパイスや具材・調理法などカレーに作りに必要なあらゆるものの使い方・組み合わせ方を一つずつ詳しく検証・解説する。

【感想】
 「教科書」の名に相応しい、充実した非常に内容。特筆すべきは分類や検証が充実している点で、例えば玉ねぎ一つとっても、炒め方や時間などを詳しく何種類も検証した結果を載せて、「こう炒めれば美味しくなる」ではなく、「こう炒めればこうなるから、こうしたいならこうするべき」と理解できる。そんな解説が本書の8割ほどを占める。カレー好きなら何度も読み返してボロボロにしたい充実ぶり。


 注意すべきはあくまで「作り方の教科書」であり、「美味しいカレーの作り方」ではないこと。レシピも載ってはいるが、レシピ本ではない。作りたいカレーのイメージを自分で持っていな人や、そもそも手間をかける気が無い人には向かない、入門だがハイレベルな内容になっている。

結論 : スパイスカレーの入門に最善の一冊。

2018年07月10日|日記:本